こんにちは、みいたくです。
ビットコインについて振り返ってみると、
「価格が大きく上がったにもかかわらず、なぜ多くの人は持ち続けていないのか」
という疑問を抱くことがあります。
結果だけを見ると、この問い自体、不自然に思いますが、
判断が行われた当時の前提を整理すると、
別の見え方が立ち上がってきます。
ここでは、
価格の是非や行動の良し悪しではなく、
これまでの前提が、どう行動の分かれ道をつくっていたのかを
淡々と整理します。
起きている事実 /観測
ビットコインは、長い時間をかけて価格が大きく変化してきました。
一方で、初期から関与していた人の多くが、
現在も大量のビットコインを保有し続けている、という状況は実は確認できていません。
観測できる範囲を整理すると、
当時の関与の仕方や判断の前提によって、いくつかの典型的な行動が見えてきます。
数百円〜数千円で取得し、数万円〜数十万円で手放した例
2010〜2012年前後では、
マイニングや個人間取引によってビットコインを取得し、
価格が数十倍になった段階で売却する行動は、特別なものではありませんでした。
当時は、将来コインの価値が100倍、1000倍になるという想定が共有されておらず、
デジタルデータに長期的な価値を置く感覚も、一般的とは言いにくい状況でした。
当時、十分に増えたと感じた時点で手放すことは、
合理的な判断として受け取られていました。
実験・決済用途で使い切った例
初期のビットコインは、
・フォーラム内でのチップ
・サービス利用の対価
・実験的な決済手段
として使われる場面が多くありました。
この時点では、仮想通貨が現実世界で使えること自体が価値であり、
価格上昇は副次的な要素として扱われていました。
そのため、
保有し続ける理由そのものが薄かったという状況が見られます。
管理の重要性が共有されておらず、失われた例
また、
・秘密鍵の紛失
・HDDの廃棄
・ウォレットのバックアップ不備
といった理由により、
物理的にアクセスできなくなったビットコインも相当数存在します。
当時は、
「なくなったら終わり」という感覚や、
金融資産として扱う緊張感が、十分に共有されていませんでした。
一度離れ、その後戻らなかった例
一度関与したあと、
・価格下落期に関心を失う
・仕事や生活の重心が別に移る
・技術コミュニティから距離を置く
といった形で、そのまま市場に戻らなかった人も多くいます。
これは、継続的な保有が前提ではなく、
人生の中心に置く対象でもなかった、という当時の位置づけが反映された結果とも整理できます。
「持ち続けた人」が後から可視化された例
一方で、
・意図せず触らずに残っていた
・結果として長期保有になった
・後年になって価値が可視化された
人たちが、
後から「初期から持っていた人」として語られるようになりました。
現在よく知られているのは、こうした事例の一部に限られています。
また現在においても、
100BTC以上の資産を保有しているアドレス自体は観測できますが、
その背後にいる個人や主体が、現在どのように行動しているのかまでは、具体的に精査できる状態にはありません。
価格上昇という結果と、人々の行動の継続性は、
必ずしも同じ線上で重なってはいない、という観測が成り立ちます。
そこにあった前提条件
初期にビットコインへ関与していた人たちは、
現在のような価格水準や社会的評価を
前提としていたわけではありませんでした。
当時共有されていた前提には、
・暗号技術や仕組みそのものへの関心
・分散型ネットワークの実験
・送金や記録が成立するかの検証
・コミュニティ内での試行的なやり取り
といった要素が含まれていました。
この前提のもとでは、
・ある程度の価格上昇で売却する
・使える場面で使ってしまう
・管理を厳密に行わない
・一定の段階で関与を終える
といった行動は、特別な判断ではなかったように見えます。
将来の価格上昇を見越して、長期にわたって保有し続けるという考え方は、
当時の共通認識とは言いにくい状況でした。
前提が変わったことで起きているズレ
時間の経過とともに、ビットコインを取り巻く前提は大きく変化しました。
価格が上昇し、資産として語られるようになることで、
過去の行動は現在の価値基準から振り返られるようになります。
その結果、
・なぜ売ってしまったのか
・なぜ持ち続けなかったのか
といった問いが、
後から強く浮かび上がります。
しかし、この問いは、
・当時の価格認識
・当時の情報量
・当時の関与の目的
を切り離した状態で、過去の行動を見直しているとも整理できます。
前提が更新されたあとに、過去の行動が再評価されることで、
ズレが生じている状態とも言えます。
一度、定点に戻って見た整理
ここで見えてくるのは、
人は常に合理的に最大利益を追求する、という前提そのものが、
現実とは必ずしも一致していないという点です。
判断は、
・その時点で共有されていた情報
・置かれていた環境
・見えていた選択肢
の中で行われていました。
価格が上がったにもかかわらず、多くの人が持ち続けていないという事実は、
失敗や判断ミスを示すものではなく、前提の違いが行動を分けた結果として整理できます。
価格の動きよりも先に、どの前提に立っていたかが、
その後の行動を形作っていた。
ここでは、そのように捉えることができます。

