現象の観測
数年前、メタバースという言葉が急速に広がった。
バーチャル空間で買い物ができる。
仮想の土地を持てる。
デジタル住まいを所有できる。
百貨店がメタバース店舗を出す。
企業が仮想空間イベントを開催する。
暗号資産やNFTと結びつく。
投資資金も流入した。
だが現在、
日常会話でメタバースが語られる頻度は減った。
これは失敗なのか。
なぜ熱狂が生まれたのか(構造)
メタバースは
「空間の再設計」という概念だった。
物理制約がない。
土地は無限に拡張できる。
だが価格は発生した。
仮想土地が高額で売買される。
ここで重要なのは、
価格決定権が誰にあったかである。
多くのメタバースは
プラットフォーム依存型だった。
運営企業がルールを決める。
土地発行量を決める。
仕様を決める。
個人は参加者であり、
価格を握る側ではなかった。
プレイヤー構造とメディア構造
メタバース空間で活動する人はプレイヤー。
プラットフォームの中で動く。
プラットフォーム自体を持つ側はメディア構造。
価格もルールも設計できる。
多くの投資家は
土地やトークンを保有した。
だが、
設計そのものを持った人は少ない。
ここで構造差が生まれた。
平面と立体の差
メタバース土地の多くは
価格上昇を前提にした期待資産だった。
市場が止まると価格は下がる。
これは外部依存型。
止まるとゼロになる構造に近い。
一方、
履歴として残る構造を持つ人もいた。
空間設計者。
イベント主催者。
コミュニティ運営者。
信用と関係が残る設計。
価格が下がっても
活動履歴は消えない。
消えたのか、それとも位置が変わったのか
現在、メタバースという言葉は減った。
だが、
VR空間は企業研修で使われている。
デジタルツインは工場で活用されている。
ゲーム空間は拡張している。
消えたのは投機熱かもしれない。
構造としては、
用途が産業側に移動したように見える。
あなたは当時、
価格を決める側だったか。
それとも価格に乗る側だったか。
あなたの活動は
履歴として残っているか。
メタバースは失敗か。
それとも
価格決定権を持たない参加モデルの限界が露呈しただけか。
これは技術の問題か。
それとも立ち位置の問題か。