異業種交流会に参加する人の属性が、ここ数年で広がっている。
会社員、専門職、資格職、大企業勤務といった立場の人が、
名刺交換の場に自然に混じっている。
自己紹介では、
職種や所属ははっきり語られる一方で、
将来の話題になると表現が曖昧になる場面が見られる。
収入や待遇については、
不足を訴えるというより、
先の見通しが定まらないことが言葉にされる。
この場面は、単発ではなく、
複数の交流会で繰り返し観測されている。
異業種交流会が、
起業志向の人だけの場ではなく、
すでに役割を持つ人が集まる場として機能している様子がある。
立場の違う人たちが集まっているが、
共有されている空気には共通点がある。
繰り返し見られる構造として、
「今すぐ困っていない人ほど参加している」
という逆転がある。
生活が破綻しているわけではなく、
職を失っているわけでもない。
それでも、
「今の位置がどこまで続くのか」
という感覚が、言葉の端々に現れる。
見落とされやすいのは、
この動きが危機対応ではない点である。
参加の理由は切迫しておらず、
準備や探索とも少し違う。
既存の肩書や所属を一度外に置き、
別の位置から自分を確認しているようにも見える。
この構造の中では、
異業種交流会は目的地ではなく、
中間点のような役割を持っている。
何かを始めるためというより、
現在地を測るために使われている。
前提条件が変わった結果として、
この使われ方が自然に定着している状態が観測できる。
