異業種交流会や勉強会の場で、
MLMを紹介している人の発言が観測されます。
商品についての説明、
会社の沿革、
代表者の人柄、
組織の広がり方についての話が多く聞かれます。
参加理由としては、
将来の収入への不安、
老後に向けた準備、
時間や場所に縛られない働き方、
といった言葉が挙げられていました。
年齢層は幅広く、
中高年層の参加も一定数見られます。
発言の中で、
現在の収入額や生活への影響については、
具体的に触れられることは多くありません。
代わりに、
「続けている」
「広げている」
「仲間が増えている」
といった状態の共有が中心になります。
成果は将来の話として語られ、
現在の位置は曖昧なままに保たれています。
ここで繰り返し見られる構造として、
MLMに関わっているという事実そのものが、
一つの立ち位置として機能している点があります。
収入の多寡よりも、
活動していること、
紹介する側に立っていることが、
場の中で可視化されやすい状態です。
結果は個別の事情として分散し、
全体像としては表に出にくくなっています。
見落とされやすい点として、
「収入をつくるために参加している」という言葉と、
「収入が成立している」という状態が、
区別されにくい点があります。
目的と結果が同じ文脈で語られることで、
現在の位置が確認されないまま、
語りが進んでいきます。
この構造の中では、
同じ動機を持つ人が集まり、
似た言葉が繰り返され、
同じ立ち位置が再生産されます。
活動は続き、
関係性も維持されますが、
収入の状態は各自の内部に留まります。
場としては、
成果を測る場というより、
関与し続けている立場を共有する場として
自然に機能しているように見えます。
その結果、
MLMで収入づくりをしている人たちの現在地は、
個別には存在しながら、
全体としては見えにくい状態が続いています。

