現象の観測
「昔は銀行が強かった」と言われる。
預金金利が高い時代。
住宅ローンが拡大した時代。
金融機関が圧倒的な収益を上げていた時代。
高度経済成長期も同様だ。
人口が増え、
消費が拡大し、
企業も個人も右肩上がりを前提に動いていた。
さらに記憶に新しいのが、
暗号資産バブル。
短期間で資産が何倍にもなる。
NFTが高額で売買される。
トークン価格が急騰する。
「またあのような時代は来るのか」
そう問う声は少なくない。
なぜ起きたのか
共通しているのは、
市場拡大局面だったことだ。
人口増加。
技術革新。
規制の未整備。
情報の非対称性。
価格決定権は、
情報を持つ側、
資本を持つ側に集中していた。
銀行は資金の流れを握っていた。
高度成長期は供給が需要を上回らなかった。
暗号資産初期は参加者が限定的だった。
拡大局面では、
価格が上がる余地が大きい。
だが現在はどうか。
人口は減少。
市場は成熟。
情報は即時共有。
価格決定権は分散し、
競争は激化している。
平面と立体の差
バブル的利益は、
波に乗る平面構造に近い。
上昇局面では利益が出る。
止まれば消える。
止まるとゼロになる構造。
一方で、
履歴として残る構造は異なる。
ブランド。
信用。
メディア。
知識の体系化。
市場が縮小しても、
履歴は残る。
価格が急騰しなくても、
収益は積み重なる。
高度成長の再来より、
履歴型構造の方が安定する局面もある。
制度と価格決定権
銀行が強かった時代は、
制度が守っていた。
暗号資産初期は、
制度が追いついていなかった。
今はどうか。
規制は強化され、
監視は高度化している。
価格はアルゴリズムで調整され、
個人が握れる余地は小さくなる。
あなたは今、
価格を決める側か、決められる側か。
市場拡大を待つ立場か、
構造を持つ立場か。
高度成長は起きるのか
新しい技術は生まれる。
AI。
量子。
バイオ。
局所的な拡大は起きる可能性がある。
だが、
人口構造と成熟市場を前提にすると、
国家全体の右肩上がりは容易ではない。
暗号資産のような急騰局面も、
周期的には起きるかもしれない。
だが、
参加者は以前より多い。
情報は即座に共有される。
優位性の持続時間は短い。
問い
高利益時代を待つのか。
それとも、
止まるとゼロになる構造から離れるのか。
履歴として残る構造に立つのか。
これは景気の問題か。
それとも立ち位置の問題か。
